私たちの活動

私たち一般社団法人シリウスキャットは動物、その中でも主に「猫」と「人間」が未来にわたって、共に、幸せに生活ができる社会を造るまたはサポートすることを理念として、法人化されました。その目的を達成するために主に次の活動を行います。

  1. 主に地域猫の生態研究
  2. 猫を通じた地域社会でのコミュニケーションの向上活動
  3. 猫の譲渡可能性向上のための認定証の発行
  4. 地域猫に対する理解の向上のための普及活動
  5. 猫カフェ運営

1.主に地域猫の生態研究
地域猫活動の普及において、それ自体の理解を深めることは非常に重要です。お医者さんは人間の生物学的な知見に富んでおり、病気の発見や治療を行う職業です。しかし、人間がなぜその行動をし、何を基準に生きているかについてはお医者さんの専門外です。それは猫における獣医師さんも同じで、社会学や行動学といったより多面的なアプローチが必要となります。猫全般に対する知見は社会全体を通して深まってきていますが、地域猫の理解は必ずしもそうではありません。私たちはTNR活動*のその後に注目しています。決してTNRで終わりではありません。
*TNR活動とはTrap(捕獲)・Neuter(去勢または不妊手術)・Return(捕獲場所に返す)一連の活動を言います。不幸な野良猫や地域猫を増やさないため、主にボランティア団体によって行われています。

2.猫を通じた地域社会でのコミュニケーションの向上活動
町を散歩していると、不思議と猫を飼っている家、猫好きの家がなんとなくわかってきます。そして、行き交う子供達も、見知らぬ大人には警戒するものの、猫を発見すると、不思議と大興奮。いつの時代も、動物とのふれあいはかけがえのない体験です。特に町で見つけた猫には、野生のポケモンを発見した時のようなワクワク感があるのです。

3.猫の譲渡可能性向上のための認定証の発行
地域猫や雑種の猫は血統書がありません。人間でいえば、戸籍がない、国籍がないのと同じことです。しかし、どの猫にもきちんと個性があります。親分肌の猫、仲間に甘えん坊の猫、心配性な猫、中には英語と日本語と猫語を理解するトリリンガルな猫もいます。当然、正確には分からないのでしょうが、私たちが話す声のトーンや伝わる感情、雰囲気などで、その意味するところを何となく理解できるのでしょう。本質的なコミュニケーション能力は猫の方が人間よりも優っているのかもしれません。すでに亡くなってしまった猫も含め、私たちはその子が生きた、あるいはどこかに登録されている “証” を作りたいと考えています。それが少しでも譲渡される人の安心感や温かい気持ちにつながれば幸いです。

4.地域猫に対する理解の向上のための普及活動
もともと猫は森で暮らしてきたので、外を冒険することが好きな動物です。安全、快適に寝られる場所はあった方が良いですが、外で思いっきり冒険することも猫の人生、猫生において、とても大事な活動だと感じます。私たちはその見守りとともに、お互いにサポートし合える関係でありたいと考えています。

5.猫カフェ運営
私たちは過去にとてもユニークなアメリカンスタイルの猫カフェを作ろうとしたことがありました。法律的な縛りによって、それはオープン直前に破談になってしまったのですが、猫を飼うのが難しい人、猫のお世話をするのが難しい人、今まさに猫を飼おうか迷ってる人、体験的にでも猫と触れ合いたい、猫と友達になりたいと思っている人は潜在的に多く、“きっかけ”として、猫カフェにはとても大事な役割があります。そこで譲渡が決まることもあります。そんな猫カフェを将来的にはサポートもしくは運営していくことも必要なことだと思います。

SNSやスマートフォンの普及で、人々の暮らしはとても便利になりました。しかし、過去数十年、便利さを提供することが企業の成長の試金石となり、それは人々の短期的な喜びの創出と消費を繰り返しました。テクノロジーの進化あるいは変化の過程で、私たちは本来の大切にすべき幸せの一つである、“人とのつながり”を少しずつ失ってしまったように感じます。

一方、私たちには、自然治癒力という回復する力が生まれながらに備わっています。たとえ傷や病を負ったとしても、栄養や睡眠をたっぷり取り、時には薬の力を借りれば、大抵の場合、本来のニュートラルな状態に戻すことが可能です。

テクノロジー自体には良いも悪いもないのです。それをどう使うかで、結果として良い事も悪い事ももたらし得る力を持つのがテクノロジーです。私たちの社会は、村が起源です。その時代にはテクノロジーはありませんでした。必要性がなかったのです。村の中で、顔を知らない人はいないし、誰かが困っていれば、たとえ肉親でなくとも自分のこととして捉えることができたでしょう。とても単純なわかりやすい社会でした。現代の隔絶された世の中は、都市化によってよく知らない人が増えたことが原因のひとつと言われています。ここが人間の想像力の限界で、会ったことのない人、面識のない人に、本心で優しくはなれないのです。私たちは、猫の中でも特に地域猫がその解決のひとつの光なのではないかと考えています。地域猫に対して、優しい地域、社会はきっと健全な町と言えます。良く言う“猫好きに悪い人はいない”というのはあながち間違っていないのでしょう。

新しい町に引っ越してきたことを少し想像してみてください。何か粗品を持って、表面上だけの挨拶はするかもしれません。しないよりはマシですが、それだけでは知り合い程度で友達ではありません。人には何か共通の “きっかけ”“目的” が必要なのです。

難しそうなことを長々と述べましたが、私たちの活動の糧は、単なる癒しだけでなく、時々猫たちが提供してくれる “新たな発見” に対する喜びだったりします。まるでご褒美であるかのように。もちろん猫が好きであることは当然としても、ぜひ、より多くの人にこの感覚を味わう機会を提供できれば幸いです。

一般社団法人シリウスキャット
代表理事 Kaz Kibushi

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